《僕と新日本プロレスと》新日本プロレスのブログ

主に80年代、90年代の新日本プロレスのアングル、名言を書いたブログです。

俺の首をかっ切ってみろ クーデターに対して猪木が怒った

プロレスラーは、マイクパフォーマンスで数々の名言をこの世に誕生させてきました。
そのマイクパフォーマンスに私たちファンも同じように、熱くなり興奮し、それによってストレス解消をしていました。

そんな熱いプロレスラー達が残した熱い名言をまとめていきたいと思います。

俺のクビをかっ切ってみろ
~1983.8.28 アントニオ猪木の名言~

ブラディ・ファイト・シリーズ 1983年8月28日 田園コロシアム アントニオ猪木 VS ラッシャー木村

12分38秒卍固めで、ラッシャー木村を破ったアントニオ猪木
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試合後のマイクパフォーマンスで、維新軍や国際軍団だけではなく、藤波や坂口に対しても挑発を行いました。

おまえら、姑息なことなどせず、堂々と俺にかかってこい。俺のクビをかっ切ってみろ、坂口お前の挑戦も受けてやる。いいか、てめえら、強いものが天下を取れ、この野郎、いつでも受けてやるぞ!この野郎

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当時の新日本プロレスの状況を考えると、猪木のこの発言には深い意味があることが分かります。

2ヶ月前の6月2日、ハルク・ホーガンとのIWGP勝戦での舌出し失神事件から、復活した猪木の初戦となったこの試合。
kent-wrestling.hatenablog.com

実は、猪木が休んでいたこの間、新日本プロレス内部では、大事件が起きていました。

当時の新日本プロレスは、初代タイガーマスクである佐山聡の活躍、長州力藤波辰巳に対する下剋上国際軍団との抗争などで、テレビ中継は、毎回20%を超え、飛ぶ鳥を落とす勢いがありました。
当然、会場も超満員札止め、グッズも飛ぶように売れる状況であったにも関わらず、選手の給料は思った程上がらない。

全ての元凶は、猪木が行っていた「アントンハイセル事業」にありました。
その事業が上手くいかずに、お金がそこへ流れていき、選手の給料が上がらない。

そう考えた山本小鉄をはじめとする新日本プロレス選手会メンバーがクーデターを起こします。
このクーデターは、山本小鉄藤波辰巳タイガーマスクらにより、社長のアントニオ猪木、副社長の坂口征二、営業本部長の新間寿に対して、行われました。

そのクーデター中の猪木のマイクアピールです。

俺のクビをかっ切ってみろ!
強いものが天下を取ればいいだろ!

この発言は、裏でコソコソと動いていた藤波や山本小鉄に対する怒りからくるものたったと思います。

一旦、クーデターは成功する(実際に猪木は社長を一時期辞めています)のですが、最終的にはこのクーデターは鎮圧されました。

このクーデターにより、タイガーマスクの引退、長州力の独立、新間寿によるUWF設立など新日本プロレスの負った代償は非常に大きかったと思います。

経緯を知った上で、この試合やマイクアピールを振り返ると、違ったモノが見えてくると思います。